SPSSを用いたWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定の使い方と方法

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ノンパラメトリック検定であるWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定の適用の条件

Wilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定を適用するためにはいくつかの条件を満たす必要があります.

ここではまずWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定を適用するための4つの条件をお示しいたします.

・正規分布以外の分布に従うデータ(正規性の判断についてはコチラを参照してください)

・データが比率尺度データ・間隔尺度データ・順序尺度のデータ

・中央値を比較することが意味を持つデータ

・1つの標本に対して条件を変えて得た2つの標本を対象としたデータ
(3つ以上になると異なる検定を使用する必要があります)

対応があるって何?

対応があるというのは比べるデータが同一対象者のデータであることを意味します

 

ここで重要なのは対応のあるt検定というのは1つの標本に対して用いられる検定であるといった点です.

例えばダイエット前後で体重を比較するとか,塾に通う前後で成績を比較するといったような場合には,同一対象のデータを前後で比較することとなります.

このように同一対象の2つのデータを比較する場合には対応のある検定を用いることとなります.

2つの対応のデータを比較する検定には,パラメトリックの検定である対応のあるt検定と,ノンパラメトリックの検定であるWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定が存在します.

順序尺度データの場合や,間隔尺度データ・比率尺度データであってもデータの正規性が確認できない場合には,Wilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定を使用することとなります.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SPSSを使用したWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定-データ入力の方法に注意-

SPSSでWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定を行う場合にはデータの並べ方に注意が必要です.

実はパラメトリック検定であってもノンパラメトリック検定であっても,対応のある検定と対応の無い検定ではデータの並べ方も異なるものとなります.

対応のある検定

対応のある検定の場合には,このように横列に同一対象者のデータ(某予備校の全国模試の偏差値)を並べます.

 

 

対応のない検定

対応の無い検定の場合には,測定データ(偏差値)を縦列に並べ,その横にグループを表すデータ(性別等:男性=0,女性=1)を入力します.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SPSSを使用したWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定の方法 その①

実はノンパラメトリック検定には2つほど方法があります.

旧バージョンを使用された経験のある方は後でご紹介する2つ目の方法の方がなじみがあるかもしれませんね.

まずは1つ目の方法についてご説明いたします.

①分析⇒ノンパラメトリック検定⇒対応サンプルを選択

 

 

 

 

 

②フィールドタブを選択して,比較する変数(講習前偏差値・講習後偏差値)を検定フィールドに移動させる

設定タブで有意水準を設定することができますが,基本的にはデフォルトの5%の設定で問題なければ操作する必要はありません.

このまま実行を押せば完了です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SPSSを使用したWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定の結果の見方・確認方法 その①

 

これがWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定の結果です.

この画面では有意確率しか表示されませんので,この表をダブルクリックすると以下のような出力が表示されます.

①有意確率

この有意確率を見れば,最終的に講習前後で偏差値に変化があったのかどうかがわかります.

有意確率(p)<0.05:差がある

有意確率(p)≧0.05:差がない(厳密にいえばあるともないとも言えない)

この場合には,有意確率が0.067で5%以上ですので,前後で有意な差がない(厳密にはあるともないともいえない)といった解釈ができます.

②統計量(Z)

合わせて標準化された検定の統計量(Z)=1.830を確認しておくと良いでしょう.

この統計量(Z)を用いることで効果量を算出できます.

効果量については後述いたします.

この方法ではWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定で必須の中央値や四分位が出力されませんので,後述いたします2つ目の方法で解析を行うことが勧められます.

 

 

 

 

 

SPSSを使用したWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定の方法 その②

次に2つ目の方法についてご紹介いたします.
旧バージョンのSPSSを使用されていた方はこちらの方法の方がわかりやすいかもしれません.
また出力されるものもこちらの方が圧倒的に多いのでこちらの方法をお勧めします.
①分析⇒ノンパラメトリック検定⇒過去のダイアログ⇒2個の対応サンプルの検定を選択

 

 

②変数1へ講習前偏差値を,変数2へ講習後偏差値を移動させ,オプションをクリック

他にも比較したい組み合わせがあれば,ペア2→ペア3と追加することが可能です.

最後にオプションをクリックしてオプション設定を行います.

 

 

③四分位を選択して続行⇒OKをクリック

これで完了です.

 

 

SPSSを使用したWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定の結果の見方・確認方法 その②

 

これがWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定の結果です.

①中央値・四分位

この表を見れば,講習前の偏差値の第1四分位・中央値・第3四分位と,講習前の偏差値の第1四分位・中央値・第3四分位を読み取ることができます.

別に新たに中央値や四分位を算出する必要がありませんのでこの方法がお勧めです.

 

②有意確率

この有意確率を見れば,最終的に講習前後で偏差値に変化があったのかどうかがわかります.

有意確率(p)<0.05:差がある

有意確率(p)≧0.05:差がない(厳密にいえばあるともないとも言えない)

この場合には,有意確率が0.067で5%以上ですので,前後で有意な差がない(厳密にはあるともないともいえない)といった解釈ができます.

③統計量(Z)

検定の統計と表記されているものが統計量(Z)です.

素人が理解しておく必要はあまりないものですが,効果量を算出する上ではこの統計量(Z)が必要となります.

効果量についてはまた後でご紹介させていただきますので,ここでは効果量を算出するために必要な数値であるくらいの認識で良いと思います.

 

 

 

 

 

SPSSを用いてWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定を行った際のグラフ作成

Wilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定を用いる場合にはデータに正規性が無いことが前提となりますので,Wilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定を用いた場合に使用すべきグラフは中央値と四分位を用いた箱ひげ図です.

 

①グラフ⇒レガシーダイアログ⇒箱ひげ図

 

 

②単純にチェック,変数ごとの集計にチェック

 

ここで重要なのは対応のあるデータの場合には,図表内のデータで「変数ごとの集計」を選択する点です.

ちなみに対応の無いデータを用いて箱ひげ図を作成する場合には,図表内のデータで「グループごとの集計」を選択する必要があります.

最後に「定義」をクリックします.

 

 

 

③箱の表現内容に講習前偏差値と講習後偏差値を移動させる

オプションは特に設定する必要はありません.

 

 

④箱ひげ図が完成

 

これが完成した箱ひげです.

箱の上端が第3四分位,箱の中の横線が中央値,箱の下端が第1四分位を表しております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Wilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定における効果量(r)の算出

最近は対応のあるt検定を行った場合には,有意確率・95%信頼区間と合わせて効果量(rやd)を算出するのが一般的になってきております.

はじめにSPSSでは効果量を算出することはできませんので,先ほどお示しいたしました自由度やt値といった統計量を使用して効果量を算出することになります.

ところで効果量って何?

効果量というのはデータの単位に依存しない標準化された効果の程度を表す指標です.

先ほど講習前後における偏差値の変化の差をWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定を用いて比較しました.

例えばある研究では講習による学習を偏差値を用いて検討を行っていたのに対して,ある研究では講習による学習効果を,テストの点数そのものをアウトカムとして検討を行っていたとします.

この場合にはアウトカムの単位が異なりますので2つの研究の間でどちらが効果があったのかを単純比較することができません.

このように単位の異なる研究から得られた効果の比較や人数の異なる研究から得られた効果を比較する際に役立つのが効果量という指標です.

ノンパラメトリック検定の場合にはrという効果量が用いられるのが一般的です.

 

効果量ってどうやって算出するの?

効果量の算出には以下のエクセルファイルがとても便利です.

http://www.mizumot.com/stats/effectsize.xls

ここではこのエクセルファイルを用いて効果量(r)を算出いたしました.

先ほどのSPSSを用いて行ったWilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定の結果で得られた統計量(Z)=-1.830と人数=22(11×2)を上記のエクセルファイルに打ち込むと簡単に効果量が算出できます.

この場合には効果量(r)=0.39で効果量中と判定されました.

今回はそもそも有意差が無かったわけですが,有意差が無いにもかかわらず効果量が大きい場合にはもう少しサンプルサイズを増やすと差が出る可能性が高いです.

一方で有意差が無い場合に効果量が小さい場合にはサンプルサイズを増やしても差が出る可能性は低いと考えることができます.

 

効果量の大きさってどうやって判断するの?

あくまで目安ですが下の表が非常に参考になります.効果量(r)の場合は,相関係数をイメージすると理解しやすいでしょうね.

http://jspt.japanpt.or.jp/ebpt_glossary/effect-size.htmlより引用

 

 



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